アフリカ熱帯林の原住民によるカカオ栽培が土壌肥沃度に与える影響の定量評価

柴田 誠
(京都大学 地球環境学堂 研究員)

2016年6月28日火曜日

カメルーン調査に行ってきました!

一昨日、カメルーンから帰国しました!
カメルーンの場所、覚えてますか?



京都は蒸してますね。。梅雨真っ只中です。

今カメルーンは小雨季から小乾季にかけての過渡期なのですが、

非常に過ごしやすい気候なんです。
え?アフリカって暑ないの?
と思われた方も多いかもしれませんが、
アフリカ大陸は全般に標高が高いので、
実はとても涼しく避暑地のような所が多いんです。

僕の調査地で標高 800 mぐらいで、
平均気温は22-23度、
日中は30度を超える事もありますが、
朝晩は20度以下まで下がりますし、
夏の北海道のような感じです。
京都の夏の方が、それはよっぽど暑いんです。

前回のブログから時間が空いてしまいましたが、

なぜカメルーンという国にはるばる行くのか、
という事をまだ説明していませんでした。

まず、カメルーンの風景写真をいくつか見て頂こうと思います。







そして、地面を垂直に掘ったものを横から見た、
僕らが「土壌断面」と呼んでいる写真がこちら。






そうなんです、土が真っ赤なんです!!

なぜ土が赤い色をしているのか?

実はこの色、鉄さび(=酸化鉄)の色です。

土が錆びている、と言われてもピンと来ないかとは思いますが、
土に色をつけている犯人は鉄である事が多いです。
赤かったり黄色かったり、

水田のような湿ったところにある土は青っぽくなるのですが、
大雑把に言ってしまえば、これ全て鉄の色なんです。

ただし、
日本には火山灰が材料になってできた
黒ボク土が多く分布していますが、
この黒色は有機物(葉っぱや根っこが生物によって分解されて土になったもの)の色になります。

北海道・標茶の黒ボク土


カメルーンの土壌断面でも表層の方は黒っぽいですよね。
土壌学ではこの層をA層と呼び、
下層の有機物の影響がなくなった層位をB層と呼んでいます。

少し話は飛びましたが、
鉄さびの色をした赤い土がある、

これがカメルーンに行く理由なんです。

え?それが理由?

と思われる方もおられると思いますので、
もう少し説明を加えます。


このタイプの土壌は、
オキシソルやフェラルソルと呼ばれ、
アフリカや南米の熱帯林地帯に広く分布しています。

赤く塗ったところがオキシソルです



















特徴は、とにかく貧栄養。
気の遠くなるような長い時間をかけて、
温暖な気候で風雨に晒され続けた結果、
土壌中の養分はほとんど溶けて流れ切ってしまい、
また、養分を保持する力もなくなってしまった、
そんな土壌です。

もちろんそんな土は日本にはありませんし、
同じ熱帯でも東南アジアにはほとんどありません。


なぜか?

この土壌が出来るためには、
地殻変動や火山活動のない

安定な環境が長時間必要だからなんです。
火山が噴火したり、地殻変動で山が隆起したりすると、
新たな土の材料が供給されてしまいますので、
オキシソルの段階まで進んで行かない、
という事なんです。
 

そんな貧栄養と言われる土壌で、
植物はどんな戦略で養分を獲得し

巨大なバイオマスを支えているのか、
更に現地の農民が行う焼畑によって

養分の流れはどう変わるのか、
という事を僕は調べています。


ふんわりとでも、僕の研究について理解して頂けたでしょうか。
これが僕がカメルーンに行く理由です。

こんな感じで、アフリカの大地で頑張ってます!!


今日はこの辺で。

2016年4月26日火曜日

はじめまして

この度、
2016年研究助成を頂けることなりました、
柴田誠(しばたまこと)と申します。

4/19に研究助成の贈呈式が帝国ホテルにて行われましたが、
とても格式高く、やや緊張してしまいました。

助成金のコンセプトに関して財団の方が説明して下さいましたが、
昨今の厳しい研究環境の中、
若手の研究者に「生きた」お金を使ってほしい、
報告書等の作成を省く事で「研究」に集中して欲しい
という強い思いを感じ、
非常に光栄で有り難い事だ、と改めて再認識しました。
いい研究になるように一生懸命コツコツと取り組んでいきたいと思います。

贈呈式に続いては、
選考委員の先生方を交えて分野ごとの懇談会が行われ、
普段接する事のない
自分の分野外の研究者の方が
何を考えてどんな事をされているのかを垣間見ることが出来て、
非常に楽しい時間を過ごしました。
年齢の近い若手研究者が集まっているので、
親近感も湧きますし、
今後どこかで一緒に研究が出来たらいいな、と色々妄想が膨らみました。

翌日には天皇皇后両陛下のご臨席のもと、
日本国際賞の授賞式が執り行われ、
日本国際賞という賞の重みを感じ、圧倒され続けた2時間でした。
印象的だったのは、
壇上の方の所作が美しい事。
いつか、自分も・・・
というこれまた妄想を膨らませながら見とれておりました。

二日間、非常に刺激的で濃い時間でした。

助成金の採択後、
書類上のやり取りだけでプロセスが進んでいくのではなく、
このように贈呈式というものを開いて頂く事で、
実際に研究者同士の知り合いが出来て交流も生まれ、
とても贅沢な時間を過ごす事が出来ました。
準備等色々大変である事は容易に想像がつきますが、
このような場を設けて下さった財団の方々には感謝申し上げます。
実のある研究をしていく事で、その気持ちに応えて行きたいと思います。


ブログ、というものは初めてですが、
これから自分の研究について少しずつ知ってもらえる場にして行きたい、と思っています。

手始めに、簡単に一言だけ紹介しようと思います。

僕は土壌の研究をしています。

主な舞台は、
アフリカ中央部に位置するカメルーン共和国南東部。

カメルーン共和国の位置


サッカー選手のサミュエル・エトーとかパトリック・エムボマの故郷です、
と言ったら分かってくれる人がいるでしょうか。。

「アフリカ」と一口に言っても、
果たして、いくつ国があるか知っていますか?

なんと、54か国もあるんです。

僕たちの住んでいるアジア地域には40か国程度しかありませんから、
どれだけ沢山の国があるか想像がつきますね。

なので、
「アフリカ」と言っても
文化、気候、地形、土壌がとっても多様なんです。

そんな中、
カメルーンの熱帯林やサバンナ、耕作地において、
植物と土壌の間の養分(窒素やリン、カリウムなど)のやり取りについて調べているのですが、
なぜアフリカなのか、
なぜカメルーンの土壌なのか、
という事に関しては、
長くなってきたので
次回のブログにて説明させて頂こうと思います。

To Be Continued...